Model Yのロングボディ6シーター版、Model YLに試乗してきました。

Model YLModel YL外観

我が家の愛車はModel Y ロングレンジAWD。納車直後に11日間・約6,000kmで日本一周をして、週末はパートナーと車中泊もする。納車から1年で30,000km走行。——そんな「Yをガッツリ使い倒してる側」の人間が、YLに乗って何を感じたか。スペック紹介ではなく、実際に所有してるからこそ気づいた違いを正直に書いていきます。

先に結論を言うと、良いクルマでした。ただ自分の使い方だと「おっ」と思うところと「あー…」と思うところの両方があって、そこが今回いちばん書きたいところです。

この記事はこんな人向け:YLとYで迷ってる/多人数で使いたい/車中泊やロング旅でEVを使い倒したい

まず、感想に入る前にYとYLのスペックを比べてみました。

<Model YとYL スペック>

Model YとYLの比較表Model YとYLの比較表

Yより全長で約170mmホイールベースで150mm伸びています。数字だけ見ると「もう別物では?」という感じ。ここからは、その別物を実際に運転してどうだったかの話です。

運転フィール:サイズは大きくなったのに、感覚はYのまま

まず驚いたのが、運転してるサイズ感がYとほぼ変わらないこと。ボディは伸びてるはずなのに、乗り込んで走り出すと「あ、いつものYだ」という安心感があります。取り回しに身構える必要はありませんでした。

加速は、車重が増えたぶんかYより少しマイルドになっています。これ、感覚だけじゃなくて数字にも出ていて、Yのロングレンジが0-100km/h 4.8秒なのに対してYLは5.0秒。約0.2秒の差です。微々たる差ですが、車重も100kgほど増えているので、そのぶんドンと蹴飛ばされる感じは穏やかに。とはいえ日常域では十分すぎるくらいで、むしろ扱いやすさに寄った印象。同乗者にも優しい方向にまとまっています。

ステアリング設定を重めにしても重さを感じず、扱いやすい。スカスカ系の軽いステアリングが好きな人なら、設定は軽めか標準がおすすめです。

「デカくなったぶん運転がしんどいのでは」という心配は、少なくとも自分には杞憂でした。

乗り心地:テスラ、ここまで変わったか

正直、いちばん語りたいのがここです。

Model YL足回りModel YLの電子制御ダンパ。

 

足回りは基本的に乗り心地が良く、路面の突き上げをかなりいなしてくれる。突き上げが「遠くでトンッ」と届くくらいまで丸められていて、この時点でだいぶ印象が違いました。

味付けとしては、街乗りはリアコンフォートモード、高速やワインディングはバランスモード(YLで選べる乗り味の設定です)。このバランスがリアコンフォートより少しだけ足が締まった感じで、路面からの入力感はちょっと増えます。でもこれが全然嫌じゃない。むしろ好き。うねった路面でも足がしっかりストロークして、フラットライド感がより強いんです。

ちなみにYLは、Yに対してロードノイズを約4%、風切音を約11%低減しているとのこと。実際、走っていて静粛性の向上は体感できました。

Yオーナー目線でいちばん驚いたのがここ。あのテスラ特有の「ゴツゴツして剛性感のあるスポーティ寄りな乗り心地」が無くなったかと思いきや、快適性と両立させる形でちゃんと残っていました。ただ快適になっただけじゃない、っていうのがミソです。

普段Yに乗ってる人ほど、この違いは面白く感じるはずです。

シート:地味に効いてる進化ポイント

シートはホールド力が上がっていて座りやすい。体をしっかり支えてくれる感じで、ロング旅の疲れ方が変わりそうな予感がしました。

ヘッドレストも上下に位置調整ができ、ちょうどいい位置に合わせることができます。Yには位置調整ができない為、羨ましい装備です。

そして地味にうれしいのが、ベンチレーション(座面の送風)が脇のあたりまで来ていること。YLは1列目・2列目までベンチレーションが標準で、前席には電動オットマンまで付いています。今のYには無い装備なので、夏場は特にうらやましいポイントです。

2列目:天井が高くて、圧迫感が減った

2列目は全高が45mm高くなったおかげで、天井が高くなっていて、Yよりも圧迫感が少ない。後席に人を乗せる機会が多い人には効いてくる差です。

– Bピラーにあるエアコン吹き出し口が良い(後席まで空調がしっかり届く)

– 収納式アームレストがしっかりしていて、ガタガタしないので安心して使える

– リアモニター下に収納型のドリンクホルダーがあるのも地味に便利

細かいけど「わかってるな」という作り込みでした。

2列目の頭上のスペースBピラーの吹き出し口

3列目:思ったより、ずっと広い

正直あまり期待していなかった3列目ですが、思ったより広いです。

2列目を目一杯前に出さなくても、そこそこリラックスして座れる。頭上も拳2個分くらいの余裕があって、思ったより圧迫感は少なめ。ドリンクホルダーやType-Cポートまであって、「おまけの席」ではなくちゃんと人を乗せられる席になっていました。全長が170mm長くなりホイールベースがModel Xより長いという素性が、こういうところで効いているんだと思います。

3列目シート3列目シート
3列目膝前スペース3列目膝前スペース
3列目のエアコン吹き出し口、ドリンクホルダー3列目のエアコン吹き出し口、ドリンクホルダー
座面にあるTypeC2口座面にあるTypeCポート2口

 

嬉しい航続距離の増加

航続距離はModel Yと比べると約100km増加しています。バッテリ容量の増加が1番影響は大きいですが、写真にあるダックテールが航続距離増加に関与しています。

ダックテールとは、気流の剥離点を後方にずらして後方の乱流を小さくする効果や高速走行時の安定性を向上させる役割がある。
ダックテールダックテール

で、車中泊はできるのか?

我が家的にはここが本題です。いつもYの後席を倒してエアマットレスを敷いて寝ているので、YLでも同じことができるかをチェックしてきました。

気になったのは、2列目のシート形状。畳んだときに車両中央付近の穴(隙間)が大きくなるので、そのままだと沈み込んでしまうかもしれません。

現時点での対策の見立てとしては、①エアマットレスをパンパンにして敷く、②隙間に薄いコンパネや折りたたみボードを渡してから敷く、あたりでカバーできそう。ただYと同じ「敷けば即フラット」の手軽さでいけるかは、実際に寝転がってみないと断言できません。

エアマットレスを敷けばカバーできる可能性はあるものの、Yと同じ感覚でいけるかは要検証。ここは今度もう少しちゃんと寝転がって確かめたいところです。

残念ポイント:あの収納が、消えた

そして正直レビューとして書いておきたい残念ポイント。

トランクの収納スペースが1つ無くなりました。

Yには、車中泊用のサンシェードなんかを放り込んでおける底の浅い収納スペースがあったんですが、YLは3列目がある構造上、そこが無くなっています。

浅いトランクスペース無くなった浅いトランクスペース
多人数で使う人にはメリットしかない3列目ですが、車中泊メインで「隠せる収納」を当てにしていた自分みたいなユーザーには、けっこう効いてくる変更点です。サンシェードや折りたたみテーブルの置き場、どうしよう…という宿題が残りました。

まとめ:YLが向いてる人・そうでもない人

試乗を終えての本音です。

<YLが向いてる人>

– 家族や多人数で乗ることが多い

– 全長が長くても扱える自信がある人

– Yよりも更に乗り心地の良さ・後席の快適性を重視したい

乗り心地も後席も文句なしで、「大きいだけのY」では全然ありませんでした。ちゃんと進化しています。

<逆に、自分みたいに後席に人を乗せる機会が少なく、車中泊メインだと悩ましい>

– 2列目形状で車中泊時の沈み込みが気になる

– 底の浅い収納が消えた

デカくて快適な方向にしっかり振ってきたぶん、「Yで車中泊を極めたい」人にとっては、増えたものと引き換えに減ったものもある、というのが正直な着地です。

とはいえクルマとしての完成度は高い。多人数で使う予定があり隙間もなんとかできるイメージがある方は、かなり有力な選択肢だと思います。

正直、買い換えるかかなり悩みましたが、今までの思い出やとても気に入っているので踏み止まっています。

※本記事は試乗時点での個人の感想です。装備・仕様は変更される場合があります。